みなさまこんにちは
今回はなぜ私がフリーランスのネットワークエンジニアになったのかを書いてみたいと思います。
会社を辞めて新しい環境に身を置くと言うことはそれなりに不満や不安があるはずなのでそれを正直に書いてみます。
私の職歴
私は2011年の就職氷河期真っ只中に新卒で日本の独立系SIerに就職しています。
そこから2019年の6月末まで8年間同じ会社で過ごしました。
2年目に一度異動があったものの拠点系NWから自社クラウドのNWメインに変わっただけなのでNWやサーバ関連をずっと触り続けています。
よくあるSESのようなことも一切していません。とにかく自社で業務を行い、外出はプリセールスやエンドユーザとの打ち合せのみです。
ブラック企業ではないので残業時間は平均30Hほど(感覚麻痺してるかも)で残業代も1分単位で支給されますし、有休も自由に取らせてくれました。
又、業務に関係するものであれば割と自由にさせてくれましたので、業務をしていて息苦しいなどはありませんでした。
理由1 扱っている技術の将来性に不安
割と自由にはさせてくれましたが、会社員ではもちろん業務に関連するものに限ると言う制約が必ず付いてきます。
私はCisco等の物理機器を使ったNW関連や仮想化基盤関連、それに伴うMW関連、監視関連など基盤屋さんと言われている部分をやっていたのでそれ以外の部分は中々業務では使えませんでした。
例えば今どきのインフラエンジニアであればAWSやGCPなどを当たり前のように使いこなしているでしょうし、ある程度コードが書けて各種自動化を行っていると思います。
しかし、私の職場だと大手パブリッククラウドは別に担当者がいたので私が業務で使うことは難しかったです。
時代に遅れないために当サイトのWordPressなど自宅環境で使ってはいますが、企業ならではの構成やセキュリティを意識した構成は中々個人で触るのはお金の面でも実用性の面でも限界を感じます。
10年後や20年後に私が業務で使っていたレガシーな環境を扱う仕事は相当少なくなってくると思っています。
今ですらクラウドファーストの考えが主流なので各拠点に物理機器を置く機会は相当減っていますし、クラウド事業社も編成が進んでおりどんどん大手に集約されています。
又、本職ではない開発者が今までインフラエンジニアの仕事だった部分まで侵食してきている職場もたくさんあると思います。
レガシーな部分や基本を知らなくてもパブリッククラウドはある程度のレベルで簡単に構築できてしまうので、インフラエンジニアと言う専業分野はそれなりに怪しい立場になっていると感じています。
そういった将来を考えたときにこのままではマズイと考えました。
これを解決するには自分で仕事を選んで常に最新の技術に触る必要があると考えたので、比較的業務内容を自分で選択しやすいフリーランスと言う選択をしました。
理由2 キャリアパスの不安
私のいた会社はいわゆる日本系の大手企業と同じような給与体系、キャリアパスになっています。
偉くなってくるにつれ、人を育成/管理し、プロジェクトを管理し、管理職まであがると会社から降りてくる予算達成のために組織全体を管理してくような立場になっていきます。
もちろんIT企業なので技術力がある人が最初は出世していきますが、管理職になるに連れ必ずプロジェクト管理能力やお金の管理能力が問われるようになってきます。
個人的にはこれらは180度逆の技術だと思っているのでこのキャリアパスは非常に違和感がありました。
優秀な技術者=優秀な管理者と言う式は成り立たないと思っています。
管理職を長く続けられている人は優秀な技術者であって優秀な管理者でもあるマルチなスキルを持ったすごい人です。
私は人の管理や組織としてのお金の管理、予算達成のための施策などを考える立場ではなくて、技術一本で食べていきたいと思っています。
そうなったときに考えられる選択肢は技術力を切り売りするフリーランスかきちんとエバンジェリストがきちんと存在できる企業への転職になると考えました。
理由3 安定性のための犠牲が多い
それなりに倒産リスクの低い上場企業や上場子会社の会社員は非常に安定していると世間では判断されます。
自動車ローンや住宅ローンが組めないこともないでしょうし、クレジットカードの審査で落ちることもないと思います。
日本のそれなりの企業は倒産リスクも低いですし、そうそう解雇されないので定年まで収入が途切れる可能性が小さいと考えられている訳です。
しかし、その安定性を得るための犠牲が非常に多いと感じました。
自分が所属していた部署は少数精鋭型のタイプだったので活気がありましたが、大きな部署になればなるほど顕著に現れていたように思います。
会社の悪口を言いたい訳ではないですし、それなりの規模の会社は殆どがこうだろうと思うので表現が難しいですが悪気はないので悪く捉えないでいただきたいです。
やる気のある優秀な人が恩恵を受けるのは大分先
やる気がある優秀な人はどんどん出世していきますので、将来的にある程度の役職と給与を貰えると思います。
しかしその恩恵を受けるには少なくとも10年はかかると思います。
年功序列と言う考えもありますし昇給規定の縛りがあることが多いので明らかな飛び級は仕組み上難しいわけです。
逆に言うと10年くらいは給与以上の仕事をこなし続ける必要があると言うことです。
優秀な社員ほど退職するとよく言いますが、多分この事象に理不尽さを感じて将来の出世よりも今を良くしたくて転職するのだと思います。
やる気のない社員が結構いる
お金のために仕方なく仕事をしている人が結構います。
お金があったらすぐ仕事を辞めるのにと平然と言っている人や、技術者なのに技術の勉強をしないで解雇されない程度に仕事をしている人もいます。
こういう人の考えが私には理解できないので、こういう話をされると毎回嫌な気分になります。
なぜ好きなことを仕事にしないのか、特にスピード感のあるIT業界に入ったのか全く分かりません。
やる気がないなら進歩が遅い業界にいたほうが100倍くらい楽しい生活になると思います。
利益の恩恵を受けるのはほとんどが経営陣
利益にものすごく貢献しようがその恩恵を受けるのは管理職まででそれより下は殆ど影響がないと思います。
利益になったと言うことは社員の頑張りによるところが一番大きいと思うのですが、恩恵を受けるのはほとんどが経営陣で一部管理職に還元されるくらいだと思います。
一般職の人は次の昇給や賞与の査定がちょっと人より良いくらいで利益の1%も還元されないのではないでしょうか。
会社と言うブランド力があってこそ大きな案件に携われるわけですし、経営陣はとてつもないリスクを背負っているわけですから当然と言えば当然なのでしょうが私は誰のために働いているのか分からなくなってしまいました。
赤字の場合にはこれと逆のことが起きるわけですが倒産まで行った場合は社員も道連れですからリスクの面では完全なイコールにはならないですね。
実際の自分の価値がわかりにくい
会社員は自分の役職に応じた原価と総務など利益を生まない部署を賄う間接費、各種税金が引かれた部分を給与としてもらいます。
例えば月1,000万のプロジェクトを回し続けていて利益は毎月300万となっている主任も
月1,000万のプロジェクトを回し続けていて利益は毎月100万となっている主任も
毎月赤字を出している主任であっても原価は同額になります。
将来的な出世や賞与で差は付くと思いますが、エンドユーザから見た自分の価格は3人共同額で月100万くらいで提示されます。
そして3人とも給与は毎月30万くらいになると思います。
これに私は違和感がありました。
外からみると3人共100万の価値がある人だと言うことになるわけですが、後者の2人は確実に利益を出さないわけです。
派遣社員だとしたら誰も後者二人を毎月100万も出して取らないわけですよ。
年功序列に近い方式を採用している且つ、役職が上がってしまったら落ちにくい日本企業ではこういう状態がままあります。
なので自分の実際の価値がわからないまま役職が付いたと言うだけで給与が保証されてしまうんです。
会社員は自分の実力や価値を勘違いしやすい状況になりやすいです。
自分の価値が分からないままだと自分に何が足りないのかなど適切な分析がしにくいので個人的には非常に不安なポイントでした。
フリーランスネットワークエンジニアになった理由まとめ
いろいろと理由を書いてみましたが、一番はこのままじゃ10年後に前線で通用するスキルセットが身につくと思えず不安でしょうがなかったことです。
独立してバリバリ稼いでやるぜ!と言うわけではなく一番大きな不安を解消したい思いでフリーランスの道を選びました。
あまりこういう人はいないかもしれませんが、独立を迷っている人の参考になれば幸いです。
転職ではなくフリーランスになった理由はベンチャーや外資は分かりませんが会社員のままだと全ての不安と不満を解消できると思えなかったです。
一生フリーランスとして過ごすつもりはないので、適切なスキルセットを身につけ、適切なお金の管理、自分の価値を理解できたタイミングで会社員に戻る可能性も十分にあります。